「異世界おじさんは」異世界から帰還したおじさんと甥っ子が繰り広げる、コメディとファンタジーが絶妙に融合した異色の作品。異世界転生ジャンルのパロディ要素も強く、異世界での冒険と現実世界のギャップが独特の笑いを生み出しているアンチ異世界系。
漫画「異世界おじさん」レビュー・感想
作品情報
- タイトル: 異世界おじさん
- 作者: 殆ど死んでいる
- 巻数: 既刊12巻
- 連載誌/アプリ: カドコミ
- 出版社: KADOKAWA
- アニメ化済み
あらすじ
物語は、17年間昏睡状態にあったおじさんが目を覚ますところから始まる。甥っ子のタカフミは、再会したおじさんが「異世界で冒険していた」と語るのを半信半疑で聞くが、異世界で使っていた魔法を実際に披露され驚愕する。おじさんは、異世界の経験を動画配信しながら、現実でも生活を再構築しようとする一方で、甥っ子タカフミやその幼馴染の藤宮との関わりが徐々に広がっていく。
作品の見どころ・魅力
異世界転生のパロディ要素
『異世界おじさん』は、異世界転生というジャンルを逆手に取ったパロディ的な要素が特徴。一般的な異世界ものでは、主人公が活躍し世界を救うといった展開が主流だが、この作品では異世界での記憶を語るおじさんが、そのズレた感覚や失敗談を中心に語り笑いを誘う。異世界に行くこと自体がメインではなく、異世界から帰ってきた後のギャップが新鮮。
おじさんキャラの新鮮さ
異世界に転生するのが若者ではなく中年のおじさんという設定は、他の異世界作品にはないユニークさをもたらしている(一応当時は若い)。おじさんの昭和時代的な価値観と、現代の若者である甥っ子タカフミとのやり取りは、ジェネレーションギャップを面白おかしく描いており、懐かしのゲームネタや文化が一定層に激烈に刺さる。
異世界と現実の対比
異世界での過去の冒険や戦闘が現実世界で語られることで、異世界の出来事がどれだけ現実世界と違うかが際立ち。また、おじさんが異世界で繰り広げたエピソードは、異世界の住人たちにとっても誤解されることが多く、笑いを生みつつも、意外と感動的なシーンもあったりする。この異世界と現実の対比が、単なるギャグ漫画ではない奥行きを持たせている。
個人的な感想
現代でのおじさんの魔法の活用方法が地味で面白い。ヤフオクで買った商品を送料ケチって飛んで取りに行くとかyoutubeでマジックのように魔法を使って動画配信するとか。もっとあるだろ!と言いたくなる。圧倒的セガ派で懐かしいタイトルが出てきてジェネレーションギャップを感じつつも当時の世代の人には刺さるネタが豊富。異世界時代の話もエルフさんやらメイベルやらヒロイン達とのフラグをバキバキ折っていくさまが最高に笑える。異世界のセオリーをことごとく壊していくネタがたまらん。
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まとめ
『異世界おじさん』は、異世界ものの新たな風を吹き込んだ作品です。異世界での記憶を語るおじさんのズレた感覚やジェネレーションギャップを生かしたコメディ要素が強く、異世界ファンタジーに飽きた人にも新鮮に楽しめます。おじさんの過去の冒険と現在の生活が絶妙に絡み合い、笑いと感動を提供してくれるので、異世界ジャンルのファンも、コメディを求める読者も必見の作品。